80歳、人生の第4クォーターで出会った「新しい言語」
「おじいちゃん、プログラミングって面白いよ」。中学3年生の孫が放った何気ない一言が、私の静かな隠居生活を一変させました。
私は長年、地方の役所で事務職として勤めてきました。定年後は趣味のカメラを細々と続けていましたが、コロナ禍で外出が減り、自宅で過ごす時間が増えるにつれ、言いようのない「退屈」が私を襲いました。テレビを眺めるだけの毎日に、脳が少しずつ萎んでいくような恐怖を感じていたのです。

そんな時に出会ったのが、子供向けのプログラミング学習サイトでした。最初は「80歳の老人にできるわけがない」と笑っていましたが、実際に触ってみると、そこには論理と創造性が組み合わさった、驚くほどエキサイティングな世界が広がっていました。
第一章:マウスの動かし方から、アプリの制作へ
最初は、画面上のキャラクターを動かすだけの簡単なものでした。しかし、自分の書いた命令(コード)通りにキャラクターが動いたとき、かつて仕事で大きなプロジェクトを成し遂げた時のような高揚感が蘇りました。
私は独学を続け、数ヶ月後には「毎日の歩数と水分補給を記録する簡単なアプリ」を自作しました。指先を動かし、論理的に順序を組み立てる作業は、私にとって最高の「脳トレ」になりました。
【プログラミングがシニアにもたらすメリット】
- 論理的思考の維持: 順序立てて物事を考える習慣がつき、日常生活のミスが減る。
- 圧倒的な達成感: 「自分にもできた」という自信が、自己肯定感を高める。
- 世代を超えた交流: 孫とコードについて議論できる時間は、かけがえのない宝物です。
第二章:オンラインコミュニティで広がる世界
一番の驚きは、インターネットを通じて「プログラミングを学ぶシニア仲間」に出会えたことです。
私たちはZoomやSlackといったツールを使い、夜な夜なコードの修正方法について相談し合いました。地域や年齢、かつての職業もバラバラな人々が、「新しいことを学びたい」という一心で繋がる。それは、定年後の孤独を解消するだけでなく、人生の新しい「居場所」となりました。

エピローグ:学び続ける限り、人は老いない
「もう若くないから」という言葉は、可能性を自ら閉ざす鍵にすぎません。私はプログラミングを通じて、年齢はただの数字であり、好奇心こそが若さの源泉であることを学びました。
次は、地元の高齢者向けに「スマホ相談室」を開くのが私の夢です。デジタルは、人を孤独にするものではなく、人と人を繋ぐ架け橋。その楽しさを、一人でも多くの同世代に伝えていきたいと思っています。


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